「約束に支えられた生活」  05.05.01
                    使徒言行録1:1〜11

 使徒言行録は、イエスさまが見えなくなったことを語り始めます。
 しかし、見えないからといって、不安な生活が始まったのでは
ありません。見えない。しかし、聖霊を受けて、力を受けて生きる
ことが始まるのです。聖霊によって生かされている使徒たちの
ことが描かれているゆえに、使徒言行録の主人公は聖霊です。

 復活された主イエスは、40日にわたって弟子たちのところに
おいでになり、神の国について話されました(3節)。
 神の国、神さまの愛、神さまの恵み。それらの豊かさ、大きさ、
深さは、一度ですぐ分かることではなかったのでしょう。繰り返し、
何度も聞かされながら、ようやく身についてくることです。
 私たちもなかなか分からない事があります。
 しかし、今、聖霊が、神さまのことが身に付くようにと、繰り返し
働きかけてくださいます。

 「父の約束された聖霊を待ちなさい。」と主イエスはおっしゃいます
(4-5節)。
 「待ちなさい」というのが、使徒言行録にある最初の主イエスの
言葉です。 弟子たちは、待つことから始めました。自分の持って
いるものではなく、神さまの与えて下さるものへ信頼し、期待しながら
待ちます。
 「王の勝利は兵の数によらず/勇士を救うのも力の強さではない。
 馬は勝利をもたらすものとはならず/兵の数によって救われる
のでもない。
 見よ、主は御目を注がれる/主を畏れる人、主の慈しみを待ち望む
人に。…」(詩33:16〜)。
 これが、約束の聖霊を待つ者の姿です。信仰生活には、自分の
力で推し進めるのでなく、神さまの働きを待つという面があります。
 使徒言行録には、不思議な力の溢れた、いきいきとした初代教会の
歩みが描かれますが、それらは、神さまからの聖霊を待ち、期待して
いた者が味わったことです。
 私たちは、すでに聖霊を与えられた恵みの中にありますが、
神さまからの聖霊に対する信頼と期待の中で、熱心に祈って
待つ弟子たちに心をあわせながら、ペンテコステまでの時を
過ごしましょう。